防虫コンサルティングの導入事例
「貯蔵食品害虫の混入対策、予防体制の構築」
大手グローバル食品メーカー様【東南アジア工場】

課題

海外製造工場からの輸入製品に虫の混入があり、消費者クレームにつながった

解決方法および効果

兆しの段階での早期の原因特定と有効な改善策を導入リスク低減と対策コストの軽減などの観点から様々な効能を発揮。 早期の原因特定、有効な改善策と解決までのロードマップの提案、現地での実行支援を通じて解決までのトータルコストと期間を短縮できた。

目次

導入企業について

本件のクライアントはグローバル展開している大手食品製造会社です。世界各国から原材料を調達し、東南アジアの工場で検品、原料保管、加工、包装、発送まで行った後に物流施設で一時保管。一時保管後は、世界各国へ製品輸出を行っています。多くの関連会社や取引先が国境を跨いで存在するため、クライアントが少しでもスムーズに意思決定を頂けるよう、しっかりとしたデータと根拠を元に提言を行う必要があります。

導入事例インタビュー

HYSIAと提携した背景およびその時の課題感について教えてください。

サプライチェーンが複数の国・地域にまたがっている事から、現地防虫業者の視点だけでは視野が狭く、問題発生時に根本原因が特定しにくいという背景がありました。製造施設内の清掃、設備改修、機械類の分解洗浄など内部の品質管理上の課題から、原料への混入や保管施設の管理体制などロジスティックス上の問題が混在していました。課題が複雑になりがちであり、かつ経営、品質管理、製造、ロジスティクス、営業・マーケティング、仕入先や物流パートナーなどの取引先など数多くのステークホルダーが意思決定に関わるため、客観的な視点で課題の分析をし、各関係者が納得でき、そのうえで現実可能な解決策を提案して頂く必要がありました。

調査初期の設備調査に関する写真

導入時に重視した内容はありますか?

自社の品質管理部門の人間よりも防虫の経験や知識を豊富に備えている事はもちろん必須ですが、問題解決までコミットしてくれるかという点を重視しました。また複数の国にまたがったサプライチェーン全体を俯瞰的に監査できるケーパビリティがあるか、高い分析力と書類作成能力があるかも重視しました。実際に、関連部門が複数の国にまたがる中で、共通言語となるようなKPIの設定をしていただいたり、英語で各部門と調整を行って頂いた事が非常に助かりました。また、多くの部門かつ階層の違う人間に状況報告が必要な状況で、問題点と解決策を論理的に整理して的確に文書に落とし込んで頂けるかどうかも重視しました。

製造工程には様々な混入リスクが存在(イメージ)
*機密情報のため実際のクライアント施設の写真は使用していません

具体的にHYSIAに依頼した業務について教えてください。

まず、虫の混入が発生する原因の分析と特定、原因の根本対策に必要な戦略と計画の立案をしてもらいました。大きく虫の混入と言っても、外から入ってきたパターンなのか、内部で発生したパターンなのかによっても対策が変わってきます。今回のケースが一体どちらなのか等も丁寧に分析してもらいました。また、計画の実現に向けても経営陣や関連部門長と調整をし、グローバルな部門の場合各国の部門長と英語で調整してもらったのも印象的です。計画立案だけでなく、現場の管理チームに対する教育と指導まで行うほか、現場の管理チームおよびペストコントロール業者の意識改革のためにマニュアルの作成などもやっていただきました。私たちの会社は関連部門が複数の国にまたがるのですが、共通言語となるKPIを明確に設定し、英語で各部門と調整を行っていただいたことで、意識のぶれなく計画の実行ができたと思います。​

原因となる虫に関して調査している写真

HYSIAを知ったきっかけと導入の決め手は何でしたか?

取引先からの紹介を受け相談させて頂き、現地工場の視察と調査レポートのクオリティを見て導入を決めました。監査の期間中からすぐ導入できる改善を実行し、最終日には速報レポート、数日後には詳細レポートを頂けるというスピード感が良かったほか、深い分析力と見識に期待しました。

問い合わせからHYSIA導入までの流れを教えてください。

最初に問い合わせをした後、翌日に関連チームと打ち合わせを行い、状況と課題の共有を行いました。翌週には海外の現地工場の監査を実施してもらいました。監査は4日間続き、その最終日には現状分析の速報レポートを現地チームと本社に共有いただきました。その直後には早めに実施できる対策(清掃方法の改善や設備補修等)を現地でスタートしましたし、そのスピード感には助けられました。また、その5日後にはより詳細な内容が書かれたフルレポートが提出され、その翌週には、関係各部門と対策の調整を実施しました。次に、経営の承認が必要な根本的な施策を実施しました。機械類の解体清掃やくん蒸、チーム体制の変更、現地の労働体制の問題、物流拠点など関連会社の管理体制の監査まで踏み込みました。3ヶ月毎にこれらの流れを繰り返し、各対策の進捗確認や調整を行っています。

HYSIA導入後の効果について教えてください。

当初の課題の発生要因が分かったのはもちろんそうですが、HYSIAに関わって頂いてから、課題の発見から解決までのスピードが速くなりました。複雑なステークホルダーがいる中で、関連部門との調整をすることのコストがかからなくなった感覚があります。また、抜本的対策として、教育を通じて現場の品質管理や施設管理チームのレベルアップにも貢献頂いています。どうしても自国のスタッフへの教育より難易度が上がる中で、効果的なマニュアル作成や本質的な労働体制の変更など、HYSIAの持つ知見をもとに高品質な衛生管理ができるようになったと実感しています。​

フェロモントラップの捕獲状況の確認をしている写真(イメージ)
*機密情報のため実際のクライアント施設の写真は使用していません

サービス全体を通して印象に残っていることはありますか?

防虫の知識のみならず、海外の幹部役職者を含めた多様な社内ステークホルダーと的確なコミュニケーションを取って頂けるので、依頼する側の負担がかなり軽減され、頼りにさせて頂きました。虫に詳しい人間は社内や現地の防虫業者にもいるのですが、実際の管理体制の改善に必要な意識改革、組織づくり、教育なども含めて考えて頂き、非常に助かりました。

今後の会社の展望や挑戦したいことがあれば聞かせてください。

当社の扱う食品カテゴリーでは最も安全かつ、世界最高品質の製品を世界中に安定供給し続けたいと思います。需要の伸びている分野であるからこそ、品質をしっかり維持した上で取引数の拡大を行います。また、食品業界のグローバル化のスピードは早まっています。HYSIAのようにサプライチェーンを俯瞰してサポート頂ける会社に助けて頂きながら、グローバルフードカンパニーとして躍進を目指します。

HYSIA担当者からコメント

本件の導入についてこだわったポイント

お客様がグローバル企業であるため、既に高レベルの管理マニュアル、人員体制が敷かれている中でご採用頂きました。既存の枠組みの中で解決ができない理由を探りながら、当社が貢献すべき部分はどこなのかを特定するところから考えました。最も力を入れたのは初回のインスペクションで問題点を完全に把握する事です。お客様サイドで特定できなかった原因を4日間の監査期間中に特定するためには、高度な知見と洞察力が求められます。また、事前にお客様に調整頂き、機械類の一時停止、分解した上で内部のインスペクションできる環境を用意頂くなど、事前の準備も重要でした。第三者の知見を入れる事で問題を収束できれば良いというわけではなく、最終的にはHYSIAが関わらなくても問題の予防と早期発見・早期解決できる体制が構築されることをゴールとしています。そのためのチームづくり、ノウハウの移譲、KPIなど管理指標の確立を目指して取り組みました。

害虫の発生源の有無を調査している写真(イメージ)
*機密情報のため実際のクライアント施設の写真は使用していません

ダイナミック・サニートのこだわり全般と他サービスの紹介

他社との違いは、問題解決に取り組む姿勢です。過去の事例や一般論に捉われず、問題の中枢まで切り込み、普通ならお客様にお伝えしづらい部分まで突っ込み、根本解決にコミットいたします。全てのケースは少しずつ状況が違うため、本当の問題解決を行うためには、過去の事例に基づいた想定力と、先入観を排除してその現場特有の状況を理解する洞察力が必要です。 コンサルティング、監査、教育、定期管理サービスなど、各場面で必要とされているサポートを提供します。

HYSIAの他事例の紹介

日本国内、海外問わず、中小から大手のメーカーまであらゆる製造・物流施設での衛生リスク対策を行っています。昆虫や有害生物の問題、カビや食中毒菌など微生物対策、ウイルス対策など、普段は気にしないけれども一度発生すると大きな安全問題やブランド棄損リスクにつながるような課題に専門的に取り組んでいます。

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