IPM(総合的有害生物管理)

IPM・ペストコントロール(防虫・防鼠) IPM – Integrated Pest Management(総合的有害生物管理)の理論に基づき、HACCP対応、各種食品安全マネジメント規格対応の防除管理プログラム設計と施工を行います。ネズミ・飛翔性昆虫・歩行性昆虫のモニタリングデータを活用し発生源や侵入源の分析・対策を行う事で、安全性や環境負荷、経済性、防除効果の最も高い手法を選択します。

調査・分析

01 調査(昆虫)

先ずは個体や形跡を確認の上、その種をできる限り特定します。トラップ捕獲や自然落下した個体や糞、営巣形跡、卵、幼虫の移動形跡、保管食品・紙などの食害形跡などを確認し、種をある程度特定し、その生態から内部発生の可能性が高いか、外部侵入の可能性が高いか仮説を立てます。その上で施設の特性、用途、施設内外の環境調査を行い、仮説の検証と同時に、その後の対策のポイントを整理します。 

02 調査(ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミ)

トラップ捕獲の個体や糞の大きさ・色・形状などでネズミの種類を特定します。ドブネズミは泳ぎが得意なため水路からの侵入も想定し、クマネズミであれば高所を軽々と移動するため天井裏や壁伝いの経路も想定して営巣場所や移動経路を調査します。

目標設定

防除プランを提案させて頂く段階で、防除の目的と目標設定を行います。 お客様のご希望、施設の性質、防除対象生物の種、現状の生息レベルなどにより、目指すべき目標ラインが変わります。また、数値化できる目標設定でないと、対策の効果や正当性を評価できません。例えば医薬品工場のクリーンルームで月間5頭捕獲されるチャタテムシをゼロにするプロジェクトなのか、飲食チェーンで月間平均20頭捕獲のあるチャバネゴキブリを1頭以下にするプロジェクトなのか。設定目標により必要な施工方法、頻度、お客様にお願いする対策のレベルも変わってきます。

モニタリング

モニタリング 施設内に調査用トラップを設置し、捕獲された昆虫等の種を同定し、増減傾向をモニタリングします。発生源・侵入経路の特定、防除対策のより的確な実施、防除効果の判定などに役立ちます。捕獲係数を記録し、対応措置が必要なレベルを予め設定しておく事で早期対策が可能になります。

防除施工

01 環境的防除

 昆虫等が発生しにくい環境づくりを行い、根本的な改善を目指します。温湿度や空気の流れの調節、餌となる食品残渣や水分の除去など、お客様にもご協力頂きながら環境改善を行い、発生原因を除去します。 

02 物理的防除

有害生物が既に一定数存在し、個体数を減らす必要がある場合は物理的な駆除や排除を行います。トラップ捕獲、発生源や侵入経路の隙間、穴等の封鎖、バキューム(吸い込み)、熱処理などがこれに当たります。

 03 化学的防除

環境的防除と物理的防除では不十分な場合、お客様の許可を得た上で殺虫剤等による化学的防除方法を取る場合があります。環境や対象生物以外に対する影響に配慮し、安全性の高い薬剤、施工方法を選択します。

04 生物的防除

フェロモン等を利用し、生物の特性を利用した防除を行います。例えば貯蔵食品害虫であるタバコシバンムシやメイガがフェロモンで交配相手を見つける生態を利用したフェロモントラップや交信攪乱剤を使用します。

05 ICT & 最新テクノロジー

 AIによる昆虫同定と、IoTを活用したペストビジョン(自動昆虫モニタリングシステム)を活用し、今までは人間の労力に頼らなければ採取できなかったデータの自動取得と分析を可能にし、より的確でタイムリーな対策に役立てます。

報告・改善

報告・改善 IPMを効果的に実施するに当たり、お客様企業の経営および現場の方々と状況を正確に共有し、関係者の皆さまとチームで問題に取り組む事が必要です。現状の対策の内容、効果、状況、改善提案などについて、レポートとしての報告はもちろん、必要に応じて従業員様向けの衛生管理・防虫セミナーや、チームとしての取り組みに必要な報告会を実施してお伝えします。

その他の事業