[秋田県横手市個人戸建 基礎断熱住宅 床下]
カビ検査と除菌処理により日常的な吸い込み不安から解放

課題

基礎断熱工法を採用している戸建て住宅の床下にカビが発生してしまった。構造上、床下の空気が居住空間にも上がってくるため、依頼主様は日常的に大量のカビを吸い込んでいることを懸念し、健康被害への不安を抱えながら生活している。

解決方法および効果

HYSIAのカビ問題の専門員が居住空間と床下で空気中のカビ数を測定。住宅における一般的なカビ数の範囲内であることを確認した。また、床下の一角に発生していたカビへの対処として、除菌処理と防カビ処理を実施。結果として数か月間悩まされていたカビ吸い込みへの不安から解放された。

前提知識の解説

従来の日本の住宅の基礎には換気のための通気口※1 を設けてあるのが一般的です。また、現在主流の基礎パッキン工法※2 では、基礎に通気口が無い代わりに、基礎と壁の間に隙間の開いたパッキンをぐるっと挟みこむことで、建物の外周全体で換気を行っています。

一方、S様邸ではどちらの工法にも当てはまらない「基礎断熱工法」が用いられており、工法特有の問題を抱えていました。

一般的な「基礎断熱工法」の場合、床下には外気と空気を入れ替えるための通気口の類はなく、外と完全に遮断されています。床下の換気方法はどうするかというと、上下の換気、つまり居住区と床下とで行っています。そのため居住区の床には写真のようなガラリ(網付きの仕切り)※3 がいくつも設けられています。これは床下に外の冷たい空気を入れないことで断熱性を高めた構造であり、寒冷地では一般的な仕様となってきています。ただし、断熱性の面では優れているものの、漏水や結露などがきっかけで床下にカビが発生してしまった場合、循環する空気と共にカビ臭やカビそのものが居住エリアに流れ込んでくるリスクがあります。そうなった場合、狭く手の届きにくい床下のカビへの対処は危険も伴い、対処に手がかかります。

※1 日本の従来の住宅の基礎に設けてある通気口

※2 現在主流の「基礎パッキン工法」で基礎と壁の間に設置されたパッキン(左は建設中の様子)

※3 「基礎断熱工法」で床に設けられたガラリ(網付きの仕切り)

目次

導入事例インタビュー

HYSIAに依頼した背景や課題感についてついて教えてください。

現在、高齢の両親と3人で暮らしています。父は大病を患ってから自宅療養中で、治療の副作用から免疫力が低下しているため、健康な人より病気のリスクが高いと医師から説明を受けています。ある時、生活空間と空気が共有されている床下の衛生状態が気になり、自分で床下に潜って確かめてみたところ、床下に大量のカビらしきものを発見してしまいました。それからというもの、日常的に多くのカビを吸い込んでしまっているのでは?との不安に駆られ、自宅でもマスクを外せず、気の休まらない日々を過ごしていました。

HYSIAへの依頼時に重視した内容はありますか?

カビ問題の専門知識や解決されてきたご経験があるかどうかは注目していたと思います。その点、最初に自宅を調査していただいた時の手際の良さや、調査結果と見立ての説明が分かりやすくとても納得できたことから、安心して任せられるという感じがありました。 また、健康面への不安なども色々とぶつけてしまったのですが、大変親身に聞いてくださり「うちはこうやります」ではなくて「不安を解消するために必要なことをする」という目線で対応内容を考えてくれたので、「これでやっと不安から解放される」と感じてホッとしました。私は心配性なので、説明や対応内容に心から納得できなければ、今こうして安心して過ごせていなかったと思います。

実際にHYSIAに依頼したサービス内容について、具体的に教えてください。

・事前カビ調査(対象:1階の居室全て、床下数カ所)
・カビ除菌剤処理(対象:床下の一部)
・防カビ剤処理(対象:床下の一部)
・処理後カビ検査(対象:事前カビ検査と同じ箇所)

当初、私からは「床下全域の木部にカビがある」と相談していたのですが、HYSIAの方に調べていただいた所、私がカビだと思っていた物のほとんどが単なる汚れや飛散した断熱材などで、実際のカビ被害は建物中央の1~2階を繋ぐ階段の下のみに集中していたそうです。カビ数検査の結果でも、生活空間や床下の広範囲にカビが拡散している様子は確認されなかったそうで、全域への除菌処理は不要とのご判断により、コストを必要最小限に抑えられました。カビが飛散するのを恐れてエアコンの使用をずっと我慢していたので、さほどカビが拡散していなかったのかもしれません。

床下の一角 階段下部分のみに発生したカビ(実際の写真)

HYSIAを知ったきっかけは何でしたか?

きっかけは、7月頃に少しカビ臭さを感じたことで、その際に害虫駆除が専門の別の業者さんに、床下のシロアリとカビの調査をお願いしました。その際に「シロアリの形跡もカビも無かった。問題ない。」と報告を受けていましたが、その後、9月に自分で潜ってみると、床下の一画でかなり多くのカビを見つけました。そこで、今度はカビ専門の方に見ていただきたいと思い、WEBで検索してホームページを確認し、HYSIAさんに調査を依頼しました。
HYSIAの担当の方は、「建物中央の”階段下”のカビは、7月の時点で既に生えていた可能性が高く、見落としがあったかもしれない」とおっしゃっていました。最初の業者さんはカビは専門ではなかったので仕方なかったのかな、と、始めから専門業者さんに依頼しなかったことを反省しました。

お問い合わせからHYSIA導入までの流れを教えてください。

まず、横手営業所に電話して概要をお話した所、カビ専門の方から折り返し連絡をいただきました。その際、電話で答えられる範囲で真摯に相談に乗っていただき、現状への見解や対応のイメージについて説明していただきました。
相談の結果、まずは正確な被害状況を確認するためのカビ調査を行い、その結果を見てからその後の対処を検討する、という流れで進めることに納得し、お見積りを依頼をしました。その後、メールで届いたお見積書で内容と金額を確認して正式に依頼し、2日後にすぐ調査に来てくれました。
初回のカビ調査の内容としては、カビの種類や被害範囲の確認、家の構造や空調設備の確認のほか、専用機器を用いて空気中のカビと付着しているカビの検査が行われました。対象は一階の各部屋と床下です。そこから検査結果の報告と、除菌作業等の二次提案のお見積りが届くまでは8日~10日程※ かかったと思います。

※採取したカビを培養し、検査結果が確定するまで7日かかるため

HYSIA導入後の効果について教えてください。

ずっと悩んでいた問題が解決した反動もあり、とても清々しい気持ちで自宅で過ごせています。対策していただくまでは、日常的なカビの吸い込みによって高齢の両親の体調にカビ感染症やアレルギーなどの悪影響が無いか、気が気ではありませんでした。私自身も怖くて家の中でマスクを外せませんでした。今では自宅が心から安らげる場所になり、本当に良かったと思います。

サービス全体を通して印象に残っていることはありますか?

不安な事など、親身に耳を傾けてくださったことです。悩み相談的に色々と質問に答えていただきとても安心しました。さらに不安の解消に繋がるように作業内容を考えてくださり、とてもありがたかったです。
あとは、除菌と防カビの処理をする範囲を「一部で十分」と判断したことが印象に残っています。こちらから最小限でやって欲しいとお願いしたわけでもなく、検査の結果を根拠に必要な分だけの作業で見積もって貰えたことには、専門性だけでなく誠実さを感じました。 

HYSIA担当者からコメント

本件の実施についてこだわったポイント

本件はカビによる健康被害を恐れてのお問い合わせでしたので、求められているのは一般的なカビ取りの様な見た目の美化ではありません。微生物レベルでの環境改善、改善を確認するための検査、再発防止対策、それぞれが重要でした。
特に今回は施主様が長期に渡る不安から疲弊していたので、心からご安心いただけるよう、検査の充実と早期の対応にはこだわりました。
結果として、早い段階で「床下のカビ汚染は狭い範囲であること」や「居住空間のカビは少なく、一般住宅の平均値以下であること」を確かめることができました。その上で、汚染があった範囲の除菌と防カビ処理をし、処理後の検査でも無事カビ数が改善したことを確認・ご報告して、施主様に安心をご提供することができました。

ダイナミック・サニートの環境衛生管理『HYSIA』のこだわり全般と他サービスの紹介

HYSIAでは、害虫獣対策、カビ対策、臭気対策、感染症対策、設備清掃メンテナンス、食品衛生コンサルティング、微生物検査、清掃資機材販売など、衛生に関わるあらゆるサービスを提供しています。
HYSIAがこのような幅広いサービスを展開するのには理由があります。これらの分野は互いに密接に関係しあっているため、一つのジャンルに特化しているだけでは最適なソリューションをご提供することができないからです。 例えば、カビを餌にして増える害虫が発生した場合、発生した虫を殺虫剤で駆除するだけでは根本的な解決にはならず、餌となるカビの発生原因を取り除かなければ再発してしまいます。
また他の例ですと、清掃不足により虫が発生している食品製造施設に対し、「清掃しておいてください」とお伝えするのは簡単です。しかし、適切な清掃が行われない理由を辿ってみると、マニュアルや教育の不備であったり、責任の所在があやふやであったりといった組織の構造の問題である場合が多く、これらの問題を解決しなければ根本的な再発防止はできません。
HYSIAでは、こういった様々な問題に対して最適な解決策を導き出すため、それぞれの分野の専門員が密に連携し合って臨むことで、衛生に関するあらゆるお悩みに確かな精度をもってお応えします。

HYSIAの他事例の紹介

日本国内、海外問わず、中小企業から大手のメーカーまであらゆる製造・物流施設での衛生リスク対策を行っています。昆虫や有害生物の問題、カビや食中毒菌などの微生物対策、ウイルス対策など、普段は気にしないけれども一度発生すると大きな安全問題やブランド棄損リスクにつながるような課題に専門的に取り組んでいます。 また、個人のお客様には本件のようなカビ対策のほか、害虫やネズミ、シロアリ、有害鳥獣などの害虫・害獣駆除サービスも行っております。確かな技術力と手厚いアフターフォローでお困りの問題や不安を解消できるサービスをご提供してまいります。

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