[秋田県ハウスメーカー様]
床下漏水によるカビを徹底除去。除菌剤とオゾンガスのダブル除菌でトラブル解決
環境衛生管理のHYSIA > 導入事例 > 床下漏水事故によるカビを除菌剤とオゾンで徹底除去 | 秋田県ハウスメーカー様【カビ対策 導入事例】
課題
新築住宅の建設工事中、空調設備業者の施工ミスにより床下で漏水事故を起こしてしまった。住人様への引き渡し後、半年経ってから事態が発覚。既に床下は水浸しとなり全域でカビが発生していた。住人様からは建て替えを含めた多くの要求があり、トラブルとなっていた。
解決方法および効果
カビ被害状況の調査を行い、レポートを提出。話し合いの際に必要となる客観的なデータを提供した。その後、環境改善のための措置として、床下と居住空間全域の除菌処理を行い、館内のカビ数を良好な値に改善した。結果、工事対応としては「1階の床の貼り替えリフォーム」にて住人様からご納得をいただいた。
目次
導入企業について
今回のクライアントは、秋田県内のハウスメーカーです。建設時の施工ミスによって問題が発生したため、現状のカビ汚染を改善するだけでなく、クライアントと住人様が今後の対応を協議するための公平・公正な情報をご提供する必要がありました。
事例詳細
当事例でHYSIAが求められたこと
このような、事故を起こしてしまった業者様からの汚染状況の調査依頼は少なくありません。こういったケースでは、カビ調査の結果は補償内容の判断材料になるため、正確性、公平性が求められます。事故を起こしてしまった側は全面的に過失を認めつつも、住人様からのすべての要求に応えることがどうしても困難なこともあり、生産的な話し合いのためには基準となる客観的なデータが必要です。そのため、調査からレポートまでできる会社が求められます。
HYSIAは本件において要求事項を正確に理解した上で、まずは汚染状況の調査を行い、結果のレポートを提出しました。
また、レポート後には実際に環境を改善するためのノウハウも駆使しました。
やはり初回カビ調査の結果は悪く、床下のほぼ全域で重度のカビ汚染が進んでいましたが、HYSIAが相応の除菌処理を実施した結果、処理後の再検査の値を一般住宅の平均値以下にまで劇的に改善することができました。
実際に実施したサービス内容
・住居内全域のカビ調査
・床下への除菌剤処理
・全館オゾンガス燻蒸
・カビ数再検査
【初回カビ調査】
目視と住人様への聞き取りによる調査のほか、空中浮遊カビ数と付着カビ数の検査を計20ポイントで実施しました。この日の作業時間は2名で2時間程度。持ち帰った検体は培養に7日を要するため、結果の分析〜書面提出までは調査から10日程いただきました。
検査結果は芳しくなかったため、除菌処理作業の案を併せて提出し、「床下への除菌剤処理」「全館のオゾンガス燻蒸」「処理後のカビ再検査」の3つを追加で行う事で合意しました。
表面付着菌採取の様子(左:床下木部、右:基礎表面)
【床下除菌剤処理】
床下への除菌剤の処理は、床張り替えのリフォーム工事期間に実施タイミングを合わせたことで、床下が全面剥き出しになった状態で実施できました。除菌剤には自社試験でカビへの高い除菌効果を確認した抗菌成分入りエタノール製剤を使用。床下の全面に充分な量を処理した後、換気と乾燥作業を行いました。床撤去中に実施できたため作業時間としてはやや短い4時間程で完了し、作業コストを抑えつつ入念な処理を行う事ができました。
床下への除菌剤処理の様子
【オゾンガス燻蒸処理】
初回検査では居住区でも一定のカビ汚染を確認していました。そのため、仕上げとして空中浮遊菌を含めたより広範囲のカビを除菌できるオゾンガス燻蒸を館内全域に実施しました。作業は除菌剤処理の終了後、充分乾燥させた後同日の夕方に開始し、翌日の昼頃に終了しました。オゾンガス燻蒸は無人状態で行う必要がありますが、リフォーム工事期間中は住人様も不在であったため問題なく実施できました。
オゾンガス発生器によるオゾンガス燻蒸の様子
【カビ再検査】
処理後の検査はオゾンガス燻蒸終了後に行い、培養を経て10日程で報告書を提出しました。結果として、床下を含む全域でカビ数は大きな改善を示しました。
写真は除菌処理を行う前後の比較で、床下同地点の空中浮遊菌の培養結果です。丸いカビの集まりを「コロニー(集落)」と呼びます。大きさに関わらずコロニー1つにつき、カビが1つ捕集されたものとしてカウントします。1枚目では無数のコロニーが見られ、空気の深刻なカビ汚染が確認できます。一方、同量の空気を調べた除菌後のコロニー数は1桁まで減少しています。改善度の目安として、除菌後のカビ数はカビが少ない冬季に屋外で検査した時と同じかそれより少ない程度であり、一般住宅の平均(※自社調べ)を下回ります。
空中浮遊菌培養結果
※補足:厳格に管理されたクリーンルームでない限り、カビは基本的にどこにでも舞っており、私達は日々一定数のカビを吸いこみながら生活しています。ただし、極端に多くのカビを日常的に吸引する事は健康被害に繋がる恐れがあります。そのため、住居や職場など、日常的に出入りし長時間過ごす場所では、カビを繁殖させないことが大切です。
クライアントがHYSIAを知ったきっかけと導入の決め手
相談できる先がなかなか見つからず、様々な方面から探している時にインターネット検索でHYSIAに辿り着いたそうです。カビ汚染の改善だけでなく、現在の状態についてのレポートも発行可能であることを決め手に、ご依頼いただきました。
HYSIA導入までの流れ
HYSIAへお問い合わせいただき、お電話でのヒアリングを元にカビ調査のお見積りを提出しました。正式にご依頼いただいた後、カビ調査(目視と住人様への聞き取り、カビ検査)をおこない、約10日後※ に汚染状況の正確なレポートと、環境改善のための施工のお見積りを提出。床下への除菌剤処理と全館オゾンガス燻蒸の施工後、再度カビ検査を行い、約10日後※ に報告レポートを提出しました。
※採取したカビの培養に7日かかるため
HYSIA導入後の効果
衛生的な居住環境をしっかりと取り戻し、改善の証明となる検査結果を書面で提出したことで、住人様からも「これならば再び安心して住める」と、ご納得をいただき、事態収束の一助となる事ができました。その後はトラブルもなく、安心してお過ごしいただいているそうです。
HYSIA担当者からコメント
本件の実施についてこだわったポイント
住人様の不安の解消に繋がるような検査の設計になっているか、著しいカビ汚染をきちんと改善できるか、の2点が当ミッションの核でした。
ただ、実務面だけではなく、現場での振る舞いにもこだわりました。このようなケースでは特に、依頼を受けた我々業者も住人様から厳しい目で見られます。公平・公正な情報提供者として、見た目、態度、手際などから「信頼できる」と感じていただく事が大切ですので、そういったことを念頭に置きながら質疑応答や作業を行いました。
ダイナミック・サニートの環境衛生管理『HYSIA』のこだわり全般と他サービスの紹介
HYSIAでは、害虫獣対策、カビ対策、臭気対策、感染症対策、設備清掃メンテナンス、食品衛生コンサルティング、微生物検査、清掃資機材販売など、衛生に関わるあらゆるサービスを提供しています。
HYSIAがこのような幅広いサービスを展開するのには理由があります。これらの分野は互いに密接に関係しあっているため、一つのジャンルに特化しているだけでは最適なソリューションをご提供することができないからです。
例えば、カビを餌にして増える害虫が発生した場合、発生した虫を殺虫剤で駆除するだけでは根本的な解決にはならず、餌となるカビの発生原因を取り除かなければ再発してしまいます。
また他の例ですと、清掃不足により虫が発生している食品製造施設に対し、「清掃しておいてください」とお伝えするのは簡単です。しかし、適切な清掃が行われない理由を辿ってみると、マニュアルや教育の不備であったり、責任の所在があやふやであったりといった組織の構造の問題である場合が多く、これらの問題を解決しなければ根本的な再発防止はできません。
HYSIAでは、こういった様々な問題に対して最適な解決策を導き出すため、それぞれの分野の専門員が密に連携し合って臨むことで、衛生に関するあらゆるお悩みに確かな精度をもってお応えします。
HYSIAの他事例の紹介
日本国内、海外問わず、中小企業から大手のメーカーまであらゆる製造・物流施設での衛生リスク対策を行っています。昆虫や有害生物の問題、カビや食中毒菌などの微生物対策、ウイルス対策など、普段は気にしないけれども一度発生すると大きな安全問題やブランド棄損リスクにつながるような課題に専門的に取り組んでいます。
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